コロナからの復興企画~関西演劇を広める、広げる

関西えんげき大賞

高校演劇の今 金蘭会高校 演劇部 VIEW:396 UPDATE 2022.05.30

終わらないコロナ禍、それでも高校生達は熱く「劇」に向かう
ー高校演劇の今、はじめの一歩!ー

僕は金蘭会の演劇部顧問として高校生達の劇作りに伴走し続けて、今年でなんと40年になる。本当に様々な高校生徒達と多様な劇作りに挑戦してきた。毎年毎年、春には新たな若さとの出会いがあり、それがクラブを活き活きとリフレッシュさせてくれる、その事にずっと感謝してきた。実は大人数での集団演劇を得意としてきた金蘭会だが、この春危機を迎えていた。コロナ禍が始まった1昨年以降、新入生の入部が激減したからだ。今年入部がないと存続の危機を迎える。少数の高2高3生は春休み必死で取り組んだ。クラブ紹介の出し物、歓迎パフォーマンス、新入生歓迎公演、工夫に工夫を凝らし、ビラも新入生の机上に何枚も置いた。その甲斐あって、現在9人ほどの恐ろしく元気で溌剌とした新入生が加わってくれている。彼女達は1人を除いて中学時代、劇との関わりを全く持っていない。ただ、先輩達のパフォーマンスや舞台を観て「私もあんな風に輝いてみたい」、そんな思いで入部してきた。彼女達の取り組みには、中学時代、様々に我慢を強いられた彼女達ならではの意気込みが痛いほど感じられる。その熱気が老いさらばえた僕の背中を強く押す。そう、僕だって負けていられない。彼女達のデビューの舞台、夏のHPF公演に向けて、今、本格的な練習がスタートする。キラキラした瞳で日々成長する彼女達の舞台での躍動を、僕は今から楽しみにしている。

■学校名
金蘭会高校 演劇部

■顧問名
山本篤

■執筆者
山本篤