コロナからの復興企画~関西演劇を広める、広げる

関西えんげき大賞

高校演劇の今 HPF2025 大阪高校演劇祭 VIEW:139 UPDATE 2025.06.17

HPF2025 大阪高校演劇祭


7月20日(日)より、HPF(大阪高校演劇祭)2025が開幕します。今年度は7月20日(日)~8月3日(日)までの日程で、一心寺シアター倶楽、吹田市文化会館メイシアター 中ホール、大阪ビジュアルアーツ・アカデミー スペース ZEROの3会場で行われます。

一心寺シアター倶楽は、160名ほどの定員(以下に記す定員はHPF公演として設定されているものです)で3会場の中ではちょうど中規模の劇場です。奥行きのある円形舞台は切り取り方次第で長方形にも見えます。さらにギャラリーもあり、上演校の工夫次第で、様々な舞台に変化をします。
吹田市文化会館メイシアター 中ホールは3会場中最大の規模で、定員は400人を超えます。広い空間と客席を埋めるために全力で立ち向かう高校生の無限の可能性を是非楽しんで頂ければと思います。
今年度からご協力頂くことになったスペース ZEROは、実は1990年に産声を上げたHPFをずっと支えて下さった存在でした。一度HPFはスペース ZEROから離れましたが、再び高校演劇の聖地として関係を築くことができました。本当に嬉しく思います。劇場の定員は85名ほど。舞台とお客様との距離も近く、高校生たちの表情や息遣いをリアルに感じることができます。HPF上演のために、スタッフの方々が中心となり、HPF参加校の先生方や演劇部のOB・OGやビジュアルアーツ・アカデミーの学生さんが協力して、なんと客席を一から制作しました。会場に足を運んで頂いた方には、HPFの本気度を肌で感じて頂けるはずです。

昨年度はHPFの魅力を、演劇部が劇場を一日借り切ることができることだと紹介しました。この形式で、この規模で行われている高校演劇祭は全国に類を見ないと思います。おかげさまをもちまして2024年度は2000名を超える方にHPFをご観劇頂きました。コロナで一度は先行きが怪しくなってしまった高校演劇が、見事に復活して、さらに輝きを増していると実感しています。今年度は、HPFのもう一つの魅力をお伝えします。それは、高校生が本気になって集客をするイベントだということです。それがコンクールとの最大の違いだと思います。夏休みの貴重な1日に劇場に足を運んでもらうことは当たり前のことではありません。これまで築いてきた人間関係、演劇部に打ち込んできた姿への評価、熱心な宣伝活動、そういったことが1人1人の集客につながっていきます。予約リストの人数が増えてくるたびに、ご来場頂いたお客様には絶対に満足して帰って頂きたいという思いが高まり、一層稽古に熱が加わります。満席になった客席、きれいな照明と音響に包まれて上演することに魅入られている、それが演劇部員です。劇中に客席と共有する感動、終わった後お客様から頂戴する感想が、現代の様々なことに追われている高校生と演劇部顧問をHPFに向けて突き動かす原動力になっています。劇場の仕込み、選んだ上演作品、上演のクオリティ、それらは今年度のお客様の満足度につながり、演劇部の評価となり、次年度以降の集客につながっていきます。伝統とも呼ばれ、人気や流行りとも表現される、そんな目に見えないとてつもないものを求めて、4月から部員と顧問が一体となって、HPFに向かっていきます。上位大会があるコンクールとは異なるため、次の公演があるわけではありません。2~3ヶ月の間全力で作り上げてきた舞台は、公演の日の夜にはすべて形としては残らないものになって消えてしまいます。それでも、目には見えなくても、確実に残るものを毎年毎年積み重ねて30年以上続いてきたイベントがHPFです。2025年度も、会場を提供して下さる劇場様、多くの時間を割いて関わって下さるHPFスタッフの皆様、そしてHPFの意義を理解し支えて下さる大阪芸術大学グループ様の存在によって、HPFを開催することができます。HPF実行委員会代表として、また大阪の高校演劇部の一顧問として、生徒たちに公演の場を作って下さったことに心から感謝申し上げます。

統廃合で高校の数が減少する中にあって、2025年度は部員数750名を超えました。演劇部は文化部でありながら、劇を作るという特性から比較的拘束時間も長く、体力的な負担も大きく、創作活動の過程において部員同士の衝突もある部活だと思います。それでも演劇に憧れて入部してきてくれる高校生がこれだけ多いという事実に、これからの高等学校の教育に対して希望が持てる気がします。今年度もこの言葉を結びの言葉とさせて頂きます。「最近の若者は…」とか「最近の教育現場は…」等、そんな言葉が聞かれるようになって久しいですが、HPFに足を運んで下さった方はきっと純粋で、真っすぐで、熱い高校生の姿を目にして頂けるはずです。是非一度劇場にお運び頂ければ幸いです。

■執筆者
HPF実行委員会代表 大谷高校 高杉学

■公演情報HPF2025
7/20(日) 大谷高校
7/21(月) 大阪女学院高校
7/22(火) 関西創価高校
7/24(木) 箕面高校
7/25(金) 桜塚高校
7/26(土) 四天王寺高校
7/27(日) 阿倍野高校
7/28(月) 咲くやこの花高校
7/29(火) 淀川清流高校・池田高校
7/30(水) 関西学院千里国際高等部
7/31(木) 豊島高校
8/1(金) 美原高校
8/2(土) 長尾高校
8/3(日) 東海大学附属大阪仰星高校

公式ホームページ
https://sites.google.com/view/highschool-play-festival/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

各公演予約フォーム
https://forms.gle/W7Z6BRQvEgdegTxg9

問い合わせフォーム
https://forms.gle/FNmLcBV32tVdH1c77