まとめ

まとめの執筆記事
-
金民樹が20周年記念公演を語る。 UPDATE 2025.08.19
大阪を拠点に、在日コリアンと日本の有志達によって2005年に結成された劇団タルオルム。第1回関西えんげき大賞(2022)優秀作品賞を受賞、また韓国・釜山公演では韓国2023RED AWARD「注目すべき視線」部門を受賞している実力派だ。「夜道を照らす月の明かりになりたい」と、タル(月)、オルム(昇り)と命名。年に1度の自主公演のほか、学校公演も精力的に行い、結成時から韓国公演も続けている、バイリン...
-
文体を舞台化する―サファリ・P『悪童日記』に込めた山口茜の思い UPDATE 2025.06.03
京都の演劇カンパニー「サファリ・P」が、ハンガリー出身の作家、アゴタ・クリストフ(1935~2011)の小説を原作にした舞台『悪童日記』を、6月から12月にかけ、京都・愛知・東京の3都市で上演する。2017年の初演以来、上演の度に再創作を繰り返し、深化させてきた挑戦的な作品だ。「文体そのものを舞台化したい」。脚本・演出の山口茜は、創作の出発点には、そんな思いがあったと語る。 固有名詞と感情表現が...
-
近づく「夕暮れ」を感じつつ働き続けるということ UPDATE 2024.08.20
劇作家・演出家の高橋恵が主宰する大阪の劇団「虚空旅団」が、9月、代表作の一つ『ゆうまぐれ、龍のひげ』を再演する(高橋作・演出)。目を奪われるような大事件が起きる舞台ではない。バブル経済崩壊後の「失われた30年」の中で、大阪にある町工場と、その工場を営む家族がゆっくりと変容していくさまが、淡々と、しかし温かみのある筆致で描かれる。新たなキャスティングで再演するこの作品に、高橋はどんな思いを込めたのだ...
-
A級MissingLinkの土橋淳志、地下世界を描く新作に込めた思い UPDATE 2024.07.29
2000年、近畿大学生が在学中に旗揚げしたA級MissingLinkで、結成以来、作・演出を務める土橋淳志。2011年には仙台を活動拠点にする劇団三角フラスコと東日本大震災をテーマに合同公演を実施。その後も、震災後の日本が抱える個人や社会の問題などをテーマに、真摯に作品を発表してきた。人の痛みは、他者には計り知れないという謙虚な態度は崩さず、しかし精一杯想像する。視点が多彩で、人に対する視線が優し...
-
劇団壱劇屋の大熊隆太郎、観客参加のオールスタンディング演劇の見どころを語る UPDATE 2024.05.17
「劇場に来るって、めっちゃ楽しいこと!と、感じてほしい」と語るのは、劇団壱劇屋代表の大熊隆太郎。6月14日から兵庫県伊丹市のアイホールで上演される新作『LOVE TOURNAMENT』(大熊隆太郎脚本・演出)は、観客参加型の「オールスタンディング演劇」だ。あたかもスポーツ観戦するかのように、観客は、鑑賞と体験の両方が楽しめる、一体感のある演劇。コロナ禍以降、まだ完全には動員が以前のように戻っていな...
-
ウイングフィールドのスタッフに聞く「WINGCUP」が目指すもの UPDATE 2023.10.26
にぎやかな繁華街のビルの6階に、小劇場「ウイングフィールド」(大阪市中央区東心斎橋)はある。1992年の開設以来、100席に満たないこの空間は、小劇場演劇の拠点として関西の演劇ファンに親しまれてきた。演劇人を後押しする多彩な企画も主催してきたが、2023年12月~24年2月に行われる若手劇団のための演劇祭「WINGCUP(ウイングカップ)」も、その一つ。14回目となる今年度は7団体が参加する。「若...
-
空晴の岡部尚子が新作を語る。 UPDATE 2023.08.16
劇場に行く楽しみの一つに「気分が変わる」ということがある。仕事上の難題に遭遇した時、あるいは人間関係に行き詰まった時、一人で悩んでいると、どんどん煮詰まっていくものだが、気分を変え、別の角度から状況を観察できれば、前に進めることがある。空晴(からっぱれ)の芝居は、観ていて、気分が変わる。明るくて、笑えて、わかりやすい。そして、心に残る、いい台詞のある作品。家族など、人間関係がリアルに描写され、誰に...
-
兵庫県立ピッコロ劇団の演出家・眞山直則と劇団部長・田窪哲旨が語る演劇のキャパシティ UPDATE 2023.06.29
1994年、全国初の県立劇団として旗揚げした兵庫県立ピッコロ劇団。兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアターの付属劇団だ。民間の劇団がほとんどの日本において、その存在は貴重である。作品創作のほか、独自のアイデアで様々な社会的活動を行い、地域貢献している。活動の幅広さは比類ない。まず公演活動としては、本公演のほか、「オフシアター」(劇団員が主体となり、小ホールで行う実験的な公演)、大人も子供も楽しめ...
-
小さくてもいい、力のある演劇を――岡本康子、中川浩三が「BOH to Z Produce」に込めた思い UPDATE 2023.05.22
2人芝居「続・背くらべ~親ガチャ編」が第1回関西えんげき大賞(2022年)の優秀作品賞に輝いた。父と娘の葛藤を描いて感動を呼んだこの舞台は、一つの劇団が作ったものではなく、演劇プロデューサーの岡本康子(Trash2)と俳優の中川浩三(Z system)が組み、「BOH to Z Produce」の名でプロデュースした作品だ。なぜ、この作品を企画したのか。意図を尋ねると、そこには、関西演劇界の未来に...
-
注目の劇作家・コトリ会議の山本正典。人間のささやかな営みを繊細に描く、「和」の熱量 UPDATE 2022.10.25
全く新しい文体で、関西演劇界に新風を巻き起こす、最も熱い注目を集める演劇アーティストの一人、山本正典(40歳)。兵庫県を拠点とする劇団、コトリ会議の劇作家・演出家・俳優である。12月2日から、兵庫県伊丹市のアイホールで新作『みはるかす、くもへい線の』が披露されるのを前に、作品作りのことや、これから行いたいこと、そして、彼に最も影響を与えた劇作家・演出家・俳優の鈴江俊郎への思いなどを聞いた。芸術とは...
- Coming soon